香りという人生の楽しみを教えてくれたのはニュージーランドの老人ホームの貴婦人たちだった

私はニュージーランドに留学していた時に長い夏休みを利用して老人ホームでボランティアをしたことがあります。

ニュージーランドの老人ホームにはグレードがあり、身の回りのことなどなんでも自分でできる人がいる老人ホームと身の回りのことは人の手を借りないとできない人が入っている老人ホームなどにグレードごとに別れていました。
私がボランティアをした老人ホームはアルツハイマーの方も多く、身の回りのことにケアが必要な老人がいるホームでした。

老人ホームで子供のように振舞う老人の身支度を手伝ったり、一緒にトイレに行ったりなどのケアをするのは保育士になったようで楽しかったです。

そんなふうに子供に帰ってしまったおばあさんたちでしたが、私は彼女たちを見て感心したことがあります。それは、朝の身支度の時に必ず、自分の好きな香水をシュッと付けることでした。生活におけるいろいろなことを忘れている老人が香りのことは忘れないんだなあと感心したのです。

マリリンモンローと同じシャネルの5番が自分の香りだと教えてくれたおばあさんもいました。小さな時から自分でラベンダーの香水を作っていたというおばあさんはラベンダーの香りがする香水を自分にひと吹きしてベッドの枕にもひと吹きするのが日課でした。

こんなふうに小さくて素敵な形の小瓶に入っている自分だけの香りの香水を自分の人生の必須アイテムにするなんて素敵だなあと私は深く感銘を受けました。

私はそれまで、エレベーターなどで香水のにおいをプンプンさせている女性にいいイメージがなかったのですが、それは多分、その女性が香水を過剰につけすぎていたのだと思います。ニュージーランドの老人ホームのレイディたちは、ほんのひと吹き首元にシュッとしていました。そして、彼女たちは近くにいる相手を全然不快になどさせませんでしたし、寧ろ、ほのかに素敵な香りが近くにいる私の気分をよくしてくれました。

今では私も香水を愛用しています。

もちろん、ほんのちょっと首元にシュッと朝につけるだけです。私が好きなのはちょっと柑橘の香りもするグリンティーの香水です。このさわやかなグリンティーの香りが忙しい朝の私の心をリフレッシュしてくれて活動的にすごさせてくれるように感じています。

最近はアロマオイルにも凝っていて、疲れた夜などに疲労回復するために、グレープフルーツの精油をアロマランプに入れて、いい気持ちでお茶を飲みながら、読書をしてリラックスしたりしています。

好みの香りをつけたり嗅いだりすることで、心がこんなにも晴れやかになるということを教えてくれたのはニュージーランドの老人ホームにいた貴婦人たちでした。

人生の楽しみの一つを教えてくれたホームのおばあさんたちには今でもとっても感謝しています。

master

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