もし、桜に強い匂いがあったら、お花見は・・・?

もし、桜に強い匂いがあったら、お花見は・・・?

2016年ももう終わりますね!

今日は、「匂い」について書きたいと思います。

匂いが魅力的な花といえば、バラが有名ですが、多くの日本人が日常生活の中で、その匂いを意識する花の代表選手は、沈丁花(じんちょうげ)と金木犀(きんもくせい)でしょう。沈丁花は春を、金木犀は秋を代表する樹木ですが、いずれも花の匂いが大変に魅力的で個性的、その匂いに似せた芳香剤が昔から作られてきました。

おもしろいのが、この二つは、花自体はあまり目立たず、街中を歩いていて、どこからか芳香が漂ってきたとき、その匂いの出どころ、花のありかがわからないということがよくあることです。この二つ以外にも、匂いの強い花はいくつもあります。梅雨時期のクチナシの匂いも、日本人にもっともよく知られた匂いの一つでしょう。クチナシは匂いの強さも際立っていますが、そのクチナシに負けない、強烈な匂いを持っているのが、羽衣ジャスミン。民家の垣根などに使われていますが、とにかく強烈な匂いです。

香水のようなよい匂いではありますが、過剰なほどに強いため、狭い路地などにあると、思わずくらくらしそうになります。香水系ですから、食欲のわく匂いではありません。羽衣ジャスミンの繁茂した民家やその近隣の家を見ると、「窓を開けて食事するのは、きついだろうな」と思ってしまいます。

毎年、そうした匂いの強い花を街中で嗅ぐたびに、私が思い浮かべるのが、桜です。桜の葉は桜餅などに使われ、独特の匂いを持っていますが、花にはほとんど匂いがありません。もし、桜に、羽衣ジャスミンやクチナシのような強い匂いがあったとしたら、どうでしょう。

匂い自体は芳香と呼んでいい種類のものですが、それが強烈だった場合、長時間その匂いを嗅ぎ続けるのは、けっこうきついものがあります。もし、羽衣ジャスミンのような香水系の強い匂いを、ソメイヨシノが持っていたとしたら、おそらく「花の下の宴会」は成立しないのではないでしょうか。

ソメイヨシノは、特に、樹の本数の多さを競うところがありますから、名所と呼ばれるスポットほど、その強烈な匂いのために、飲食にはふさわしくない場所になるに違いありません。なので、私はいつも、クチナシやジャスミンなどの花の強い匂いを嗅ぎながら、「桜に匂いがなくてよかった」と思うのです。ちなみに、私が一番好きな匂いの花は、梅。

梅ほど上品で、奥ゆかしく、かぐわしい匂いを持つ花はほかにないでしょう。梅のあの上品な匂いなら、その匂いに包まれて飲食しても、無理なく楽しむことができます。ただし、梅の咲く時期は桜よりもずっと早いため、まだまだ肌寒く、その下で桜のように宴会を開くのが、肉体的にちょっと厳しいところがあります。その点が、私には残念でなりません。

master

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