必要な水の7割を海から調達する「水の安全保障」

生活用水の半分以下の降水量しかないイスラエルは、常に水不足に苦しめられてきた。2009年まで続いた干ばつで地下水も枯渇し、対策を迫られた政府は水道料金を上げ、下水の再利用も推進。

そして下水の86%が再利用されるようになり、農業用水の2/3をまかなえるようになった。

さらに政府は大量の資金を投入し、最新技術である逆浸透法を活用した海水淡水化プラントを次々と建設。15年末に5つ目のプラントが稼動すれば、イスラエルの全家庭が消費する水の7割が「元海水」となる。

ただし、環境活動家たちは、海水淡水化プラントは、エネルギーを浪費し、二酸化炭素も大量に排出する施設だと批判する。

また、処理後の塩分の濃い海水を海に流すことで、生態系に悪影響を及ぼす懸念もある。だが、一連の「水革命」によって、イスラエルが水であふれる国に変わったのは事実だ。そして、中東の勢力地図は「石油」ではなく「水」が変えつつある。パレスチナでは、水の分配が紛争の原因になっているからだ。ある環境NGO幹部はこう語る。

「いまやイスラエルは、自分に都合のいい和平を実現するカードを手にしてしまいました」
これからの中東では、水が安全保障のカギを握るのだ。

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